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店舗として貸し出す前の工事を、住宅のリフォームに慣れた内装会社へそのまま頼んでよいのか。貸主にとっては、迷いやすい場面です。
今回は、飲食店の入居が決まりそうな物件で、ダクトの通し方をめぐって内装会社の考え方が大きく違った実例を紹介します。
住宅のリフォーム会社が出したのは、建物の一部を貫通させてダクトを上げる案でした。店舗に強い内装会社は、まったく別のルートを示しました。
この記事では、店舗物件の工事で内装会社まで店舗に強い相手を選ぶ意味を、弊社の及川が現場で立ち会った実例から整理します。
工事を頼む相手を決める前に、読んでおいていただきたい内容です。
- 住宅の内装会社が店舗のダクト工事で出した貫通案の中身
- 貫通案を取りやめて別ルートにした理由
- 古い建物でダクトを通すときに出てくる雨漏りなどの心配
- 店舗物件の工事を頼む内装会社を選ぶときの考え方
- 内装会社に工事を断られたときの動き方
- 1階を店舗として貸し出したい貸主やビルオーナー
- 飲食店の入居に向けてダクトなどの工事を考えている方
- 住宅のリフォーム会社に店舗向けの工事も頼むか迷っている方
- 古い建物の工事で、費用や雨漏りの不安がある方
店舗に貸し出す物件でダクトの工事が貫通案になった経緯

住宅のリフォーム会社が出した案は、建物の一部を貫通させて、貸主が2階のトイレを潰す覚悟までする内容でした。
飲食店の入居が決まり貸主がダクトのルートを用意する流れ
今回お預かりしたのは、1階を代々お店として使ってきたオーナー様の物件です。2階は住居で、1階をほかに貸し出したいというご依頼でした。
リフォームして貸せる状態にしたいということで、すでに住宅を扱うリフォーム会社が入っていました。
内装業者さんと話して違和感を感じたと聞きました。どんなことだったんですか?
お預かりしている物件の1階を貸し出したいという依頼でした。うちで募集して、飲食店のテナントさんが無事に決まりそうなんです
前の店舗の残置物が残った状態で、オーナー様はスケルトンにして次のテナントさんへ渡したいというお考えでした。自分の物件だから自分でやりたいということで、オーナー様の負担で進める工事です。
次は飲食店が入るんですね
はい。ダクトのルートだけは、オーナーさんのほうでつけることになりました
敷地が狭く外から上げられないため建物を貫通する案になった

住宅を扱うリフォーム会社との打ち合わせで、物件の特殊な事情がわかりました。隣の建物との境界線がほとんどなく、人が通れないほど狭いため、ダクトを外側から上げることができません。
そこで出てきたのが、家の一部を貫通させてダクトを上げる案です。オーナー様も、そうなると2階のトイレは潰さなければいけないと受け止めていました。
何度も打ち合わせをした住宅のリフォーム会社が「うちではできません」と言い、オーナー様は別の会社の紹介を求めました。
店舗に強い内装会社が貫通せず別ルートを示した理由

店舗に強い内装会社は、建物を貫通させず、正面から出して上へ上げる案を示しました。
信頼できる内装会社が即日来てダクト部門の代表が立ち会った
紹介の依頼を受けて、弊社が以前から信頼している内装会社に電話をしました。すると、その日のうちに現地へ来て立ち会ってくれました。
同行したのは、ダクト部門の代表の方です。70歳ぐらいのベテランの方で、弊社の及川は最初に、トイレを潰して階を貫通させる前提で状況を説明しました。
私も貫通しなきゃいけない気持ちでした。トイレを潰して、ここを通してとお伝えしたんです
築70年以上の建物は貫通すると雨漏りの心配がある
図面を見た担当の方と責任者の方の見立ては、貫通案は通せないというものでした。理由は、建物が古いことです。
築70年以上で、雨漏りが起こる心配があります。構造も木造と鉄骨がくっついた珍しい形で、木造部分には梁があるため、梁を避けても居住部分にダクトが通る可能性が残ります。
築70年以上で、しかも木造と鉄骨がくっついた構造なんです。もう言い切られて、じゃあできないじゃんとなりました
正面から出して上へ上げる案なら許可を取れば進められる
できないという話のあとに、ダクト部門の代表の方が示したのが、建物の正面から出して上へ上げる案でした。
正面から出して上に上げればいいですと言われました。行政の面で難しいと思っていたんですが、許可を取ればいいということでした
見た目を心配していた及川に対して、返ってきたのは、最初の内装工事のときに設備として置き、あとはテナントが外壁や看板で隠せばよいという答えでした。
現場を見ただけで、判断はすぐに終わりました。
| 比べる点 | 住宅のリフォーム会社の案 | 店舗に強い内装会社の案 |
|---|---|---|
| ダクトのルート | 建物の一部を貫通させて上げる | 正面から出して上へ上げる |
| 2階のトイレ | 潰す話になる | 家の中にダクトを通さずに済む |
| 進め方 | 打ち合わせのあとで工事を断られた | 許可を取り、最初の内装工事で設備として置く |
貸主が店舗に強い内装会社を選んでよかったこと

オーナー様は、家の中にダクトが通らなくなったことをとても喜んでくれました。
貫通させるなら、その分の工事費用もかかります。それを踏まえても、この形になってよかったという受け止めでした。
住宅の内装会社が考えることと、店舗の施工に詳しい会社が考えることは違うんだね
本当は、店舗の工事まで同じ会社に頼んだほうが安心だと思っていました。ただ今回のダクトに関しては、できないと言ってくれてよかったとオーナーさんも言っていました
店舗専門の不動産会社が大事なのと同じように、内装会社も店舗に強い会社が大事だと、及川はあらためて感じました。
内装会社選びで工事が止まった別の実例は、内装会社トラブルの怖い話でも紹介しています。150坪の店舗で工事が始まらず、別の内装会社に切り替えてオープンにこぎつけた経緯がわかります。
専門だからこそ、そういう提案ができるんですね
はい。やっぱり経験が大事だと思いました
よくある質問
Q住宅のリフォーム会社に店舗として貸す前の工事も頼んでよいですか?
今回の実例では、住宅を扱うリフォーム会社から、ダクトの工事はできないと言われました。出てきた案も、建物の一部を貫通させるものでした。
店舗の工事は、店舗に強い内装会社へ頼んだほうが安心です。店舗専門の会社は、正面から出して上へ上げる別の案を示してくれました。
Qダクトを建物の外から上げられないときはどうすればよいですか?
今回は、隣の建物との境界線がほとんどなく、外側から上げられない物件でした。住宅のリフォーム会社は、建物を貫通させる案を出しました。
店舗に強い内装会社は、正面から出して上に上げる案を示しました。許可を取ることが前提で、見た目は最初の工事で設備として置き、テナントが外壁や看板で隠す考え方です。
Q建物を貫通させてダクトを通すとどんな心配がありますか?
今回の現場は築70年以上で、貫通すると雨漏りが起こる心配がありました。木造と鉄骨がくっついた構造で、梁を避けても居住部分にダクトが通る可能性がありました。
貫通させる場合は、その分の費用もかかります。
Q内装会社に工事を断られたらどう探せばよいですか?
今回は、住宅のリフォーム会社から工事はできないと言われたあと、オーナー様が別の会社の紹介を求めました。
弊社が信頼している内装会社に電話をして、その日のうちに現地へ来てもらえました。店舗に強い不動産会社に紹介を相談する方法があります。
Q建物の貫通をやめて貸主にはどんなよいことがありましたか?
家の中にダクトが通らなくなり、2階のトイレを潰す話もなくなりました。オーナー様はとても喜んでくれました。
貫通させる場合にかかる費用も踏まえて、この形になってよかったという受け止めでした。
まとめ:店舗の工事は内装会社まで店舗に強い相手に相談する
今回の実例で、ダクトのルートは住宅のリフォーム会社と店舗に強い内装会社でまったく違う答えになりました。
- 住宅のリフォーム会社は建物の貫通案を出し、そのあと工事を断った
- 築70年以上の建物は、貫通すると雨漏りの心配が出る
- 店舗に強い内装会社は、正面から出して上へ上げる案を示した
- オーナー様は、家の中にダクトが通らないことを喜んだ
店舗物件では、不動産会社だけでなく内装会社も店舗に強い相手を選ぶことが、貸主の負担を減らします。
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