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テナントから閉店や退去の相談を受けたとき、貸主はいつ次の募集を始めればよいのでしょうか。
今回紹介するのは、YouTube視聴者のオーナーから閉店前に相談を受け、約1か月で3件の内見と申込まで進んだ実例です。相談時点では撤去する内装が決まっていなかったため、次の入居候補者の希望も踏まえて調整できました。
撮影日の5月19日時点では、家賃保証会社の審査中です。成約済みの成功事例ではなく、退去前に募集を始めると、どこまで準備を進められるのかが分かる事例として紹介します。
- 退去前に募集を始めた実際の経過
- 約1か月で3件の内見と申込まで進んだ背景
- 内装を撤去する前に候補者を探す意味
- 申込後、契約までに残っている確認事項
- 現テナントから閉店・退去の相談を受けたオーナー
- 退去後の空室期間をできるだけ短くしたい貸主
- スケルトンにする前に次の候補者を探したいビルオーナー
テナント募集は閉店・退去の相談を受けた時点から準備する
今回の実例から分かるのは、完全退去を待つ必要はないということです。閉店・退去の可能性が分かった段階で相談を始めれば、営業中の内装や設備を見せながら次の候補者を探せます。
住宅賃貸とは異なり、テナント物件では既存の内装や設備を次の出店者が使える場合があります。すべて撤去した後では、残せた設備まで失われます。
退去前の相談は、募集を急いで確定するためではなく、内装・条件・募集時期の選択肢を残すための準備です。
相談から約1か月で3件の内見と申込へ進んだ
今回の物件は、福祉系の用途で使われていたテナント物件です。オーナーがYouTubeを見たことをきっかけに、閉店前の段階で相談が始まりました。
オーナーからご相談をいただいたのは、4月中旬からゴールデンウィーク前ごろです。閉店の2〜3か月前だったので、すぐに募集を始めました
最初の2件は内見後に進みませんでしたが、3件目の候補者から申込が入りました
撮影日は5月19日です。相談から約1か月で、募集、3件の内見、申込、家賃保証会社の審査まで進んでいました。
| 時期 | 実際に進んだこと | 撮影時点の状況 |
|---|---|---|
| 4月中旬〜GW前ごろ | オーナーから閉店前に相談 | 退去まで2〜3か月ほど |
| 相談後 | 募集を開始 | 1件目・2件目の内見は進まず |
| 5月19日 | 3件目の候補者が申込 | 家賃保証会社の審査中 |
申込書が出て、家賃保証の審査に進んでいる段階です
保証審査とオーナーさんの確認が進めば、契約が見えてきます。ただ、今はまだ契約前です
約1か月で「成約した」のではなく、「申込と審査まで進んだ」事例です。契約成立には、審査、条件調整、契約書の締結が残っています。
内装を壊す前だったから次の候補者と調整できた
この事例で大きかったのは、相談時点で撤去範囲が確定していなかったことです。
閉店の2〜3か月前に相談いただけたので、まだ何を撤去するか決まっていませんでした
次に使う方が物件を見て、「これは残してほしい」「これは撤去してほしい」と伝えられる状態でした
旧テナントが先にすべて撤去すると、新テナントが使えた設備まで失われます。次の候補者が決まった後で同じ設備を作り直せば、旧テナントには撤去費、新テナントには内装費が発生します。
退去前に候補者が現地を確認できれば、残すものと撤去するものを双方の希望に合わせて整理できます。設備の所有者、故障時の修理責任、将来の撤去責任は、契約前の書面化が必要です。
スケルトンと居抜きの違いや費用は、既存内装を残すメリットと費用感で詳しく解説しています。
福祉系から福祉系へ、既存設備を生かせる可能性があった
今回の物件には、もともと福祉系のテナントが入っていました。申込をした候補者も同系統の業種です。
現テナントと次の候補者の使い方が近いため、既存のレイアウトや設備を流用できる可能性があります。ただし、同じ福祉系というだけで入居できるとは限りません。
確認対象になるのは、電気容量、給排水、消防設備、用途制限、必要な工事などです。今回も、申込後の審査と条件調整が残っていました。
募集賃料は約5万円上げたが、契約賃料は未確定
今回の募集では、前回より約5万円高い賃料を設定しています。
今回は募集賃料を約5万円上げています。退去のタイミングで、現在の条件が市場に合っているかも見直しました
ただし、撮影時点では審査中なので、その賃料で契約が成立したわけではありません
約5万円高いのは募集賃料であり、契約賃料として確定した実績ではありません。募集賃料を上げても、空室が長期化すれば値上げ分以上の賃料を失う場合があります。
賃料は、前契約、周辺相場、設備、階数、入居できる業種、想定空室期間を合わせて検討します。具体的な考え方は、テナント賃料を決める判断方法で整理しています。
申込後も審査・撤去範囲・賃料発生日が残る
申込が入った後も、契約までには複数の確認事項があります。今回の撮影時点で確定していたのは、申込が入り、家賃保証会社の審査へ進んだところまでです。
家賃保証審査とオーナー審査
候補者の事業内容や支払能力を確認し、保証会社とオーナーが入居可否を判断します。申込書の提出だけでは、次のテナントは確定しません。
内装・設備・原状回復の分担
残す内装や設備について、所有者、修理責任、将来の撤去責任を契約書へ落とし込みます。ここが曖昧なままだと、故障時や次回退去時の負担をめぐる問題につながります。
フリーレントと引き渡し日
店舗は、引き渡し後に工事期間を要する場合があります。賃料発生日やフリーレントの有無も契約条件の一部です。
今回の動画では、フリーレント条件は撮影時点で確認できていません。フリーレントを付ける目的と判断基準では、貸主側の判断材料を解説しています。
今回の実例は申込・審査段階です。成約、賃料約5万円の増額、空室期間の解消が確定した事例ではありません。
この事例から分かる退去前募集の進め方
今回の流れを貸主側の準備に置き換えると、次の5段階になります。
- 閉店・退去の可能性を聞いた段階で相談を始める
- 現契約書、物件図面、検査済証の有無を整理する
- 残せる内装・設備と撤去候補を仮整理する
- 営業中に内見できる日時と範囲を現テナントと調整する
- 申込後に審査、撤去範囲、賃料発生日を契約条件へ落とし込む
今回のように撤去範囲が未確定の段階なら、候補者の希望を反映できる余地があります。テナント募集の相談前に準備する書類では、募集条件を整理するための資料を確認できます。
早めに情報を整理しておくことで、内装を残すか撤去するかを候補者が現れる前に決め切らずに済みます。
よくある質問
Q退去の何か月前からテナント募集を始めるべきですか?
一律の期限はありません。今回の事例では、退去の2〜3か月前に相談があり、約1か月で3件の内見と申込まで進みました。閉店・退去の可能性が分かった段階が相談開始の目安です。
Q現テナントの営業中でも内見できますか?
現テナントの承諾と日程調整ができれば可能です。顧客や従業員、営業情報への配慮が必要になるため、見学時間と見学範囲を事前に定めます。
Q申込書が出たら次のテナントは確定ですか?
確定ではありません。家賃保証審査、オーナー審査、条件交渉、契約書の締結を経て契約成立となります。
Q退去前に内装を残すと、誰の所有物になりますか?
設備ごとに扱いが異なります。所有者、修理責任、将来の撤去責任を確認し、合意内容を書面に残す必要があります。スケルトンと居抜きの判断基準でも、残置物を含む考え方を解説しています。
Q退去前に募集賃料を上げてもよいですか?
市場に合う根拠があれば見直せます。ただし、今回の約5万円増は募集賃料であり、契約賃料ではありません。周辺相場と想定空室期間を合わせた判断が必要です。
Qフリーレントは付けるべきですか?
工事期間、募集反響、周辺物件の条件によって異なります。今回の動画では条件が未確認のため、付与の有無や期間は判断できません。
まとめ:完全退去を待たずに動くと内装と募集条件を調整しやすい
今回の実例では、退去の2〜3か月前に相談を受け、約1か月で3件の内見、申込、家賃保証審査まで進みました。
早く相談できたことで、何を撤去するか決め切る前に候補者を募集できました。現テナントと次の候補者の用途が近く、既存設備を生かせる可能性も残っています。
一方、撮影時点では契約前です。募集賃料の約5万円増、フリーレント、賃料発生日、撤去範囲は、契約条件として確定した結果ではありません。
退去前募集の利点は、必ず空室をなくせることではなく、内装を壊す前に次の候補者と条件を調整できることです。
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