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テナント募集をしていると、「この物件は立地が良いのか」「どんな業種なら入るのか」で悩む場面があります。
駅前だから良い、人通りが多いから良い、ロードサイドだから強い。そう考えたくなるものの、店舗の立地はそれだけでは決まりません。
大切なのは、そこを使うお客さんにとって便利かどうかです。この記事では、店舗開発や立地調査の専門家との対談内容をもとに、貸主・物件オーナーが知っておきたい立地の見方を整理します。
- 店舗にとって良い立地の考え方
- 業種によって立地評価が変わる理由
- 貸主がテナント候補を見るときの判断軸
- FCや新興チェーンの出店で注意したいこと
- 空きテナントに何を入れるべきか迷っている方
- 自分の物件の強みを言語化したいビルオーナー
- 駅前や人通りだけで立地を判断してよいか不安な方
- テナント候補の出店判断を貸主側でも理解したい方
良い立地は「誰にとって便利か」で変わる
良い立地は、すべての業種に共通する絶対条件ではありません。
駅前の一等地は魅力的に見えますが、どの店舗にとっても最適とは限りません。カフェや物販のように、通りがかりで利用されやすい業種なら目立つ場所が強みになります。
一方で、整骨院や予約型サービスのように、目的を持って通う業種では見方が変わります。利用者が自宅から来るのか、職場帰りに寄るのか、車で来るのかによって、便利な場所は違うからです。
どんな業種の出店意欲が高いのかを先に把握したい方は、2025年版|テナント出店意欲が高い業種ランキング前編と後編も参考になります。業種ごとの動きが分かると、立地を見るときの解像度も上がります。
くっつー:良い立地って、結局どんな場所なんですか?
加藤:誰が決めるかが大事です。最終的には、その店を使うお客さんにとって行きやすいかどうかですね
貸主側も、この視点を持っておく必要があります。自分の物件が良い立地かどうかは、入る業種と利用者の動きまでセットで見て初めて判断できます。
貸主が立地を見るときの3つの判断軸
テナント物件の立地を見るときは、「場所が良いか悪いか」だけで考えると判断が粗くなります。
貸主が最低限見ておきたい軸は、次の3つです。
- その業種のお客さんがどこから来るか
- その場所で利用する理由があるか
- 競合が増えたときにも選ばれるか
たとえば、日常的に通うサービスなら、生活動線との相性が重要です。衝動的に入る店舗なら、視認性や通行量の影響が大きくなります。
また、同じ業種が近くに増えてくると、利用者はより便利な場所、見つけやすい場所、入りやすい場所を選びやすくなります。
この物件にどの業種が合うのか、その業種のお客さんがどう動くのか、競合が増えたときに残れる場所なのかを合わせて見ることが重要です。
駅前・人通り・ロードサイドを過信しない
駅前だから強い、人通りが多いから埋まりやすい、ロードサイドだから何でも入る。こうした判断は、分かりやすい反面、危険もあります。
人通りが多い場所は、認知されやすいという意味では強みです。ただし、その人たちが本当にその店舗を利用するかは別問題です。
ロードサイド店舗でも、車で入りやすいか、駐車場が使いやすいか、周辺に目的来店が生まれる施設があるかで評価は変わります。
ロードサイド立地の考え方をもう少し深めたい場合は、ロードサイド物件が選ばれる理由もあわせて確認しておくと、駅前とは違う評価軸をつかみやすくなります。
くっつー:駅前の物件なら、どの業種でも良い立地と言えるんでしょうか?
加藤:そうとは限りません。業種によって、お客さんが求める便利さが違います
貸主としては、物件の強みを一言で決めつけないことが大切です。駅前、人通り、ロードサイドといった条件は、業種との相性を見て初めて武器になります。
競合が増えるほど便利な場所が選ばれやすい
新しい業態や流行している業種は、短期間で店舗数が増えることがあります。
競合が少ないうちは、少し不便な場所でも利用者が来てくれるかもしれません。しかし、同じ業種が増えると、利用者は自然と便利な場所を選びます。
24時間フィットネスのように一気に出店が増えた業種では、近くに似た店舗が増えたとき、どの場所が残りやすいかを考える必要があります。
これは貸主にとっても重要です。出店したいと言ってくれるテナントが現れたとしても、その業種がその場所で長く続くかは別問題だからです。
短期的にテナントが決まることだけを優先すると、数年後の退店リスクを見落とすことがあります。競合が増えたときに選ばれる場所かどうかも確認しておきましょう。
FCや新興チェーンの出店判断で貸主が見るべきこと
FCや急拡大中のチェーンでは、本部だけでなくFCオーナー側の判断で物件が選ばれることがあります。
その場合、短期的な採算や初期費用の見え方が優先され、チェーン全体としての立地戦略が弱くなることもあります。
貸主側から見ると、出店希望が来ること自体はありがたい話です。ただし、相手がどのような立地基準でその物件を選んでいるのかは確認した方が安心です。
確認したいのは、次のような点です。
- なぜこのエリアに出したいのか
- どんな利用者を想定しているのか
- 競合をどう見ているのか
- 駐車場、視認性、導線をどう評価しているのか
- 既存店ではどんな立地で成功しているのか
貸主側も立地の見方を持っておくと、テナント候補との会話が「借りるか借りないか」だけで終わらなくなります。
実際にどんな店舗が決まり、開業まで進んでいるかを見ることも、貸主にとっては判断材料になります。募集会社の実績を見る視点は、店舗開店報告から見るテナント募集の実績でも整理しています。
よくある質問
Q良い立地とは何ですか?
その業種のお客さんにとって利用しやすく、継続的に選ばれる場所です。駅前や人通りだけでなく、利用者の移動行動、目的来店の有無、競合環境まで含めて判断します。
Q駅前の物件ならどんな業種にも向いていますか?
向いているとは限りません。通りがかりで利用される業種には強みになりますが、予約型や目的来店型の業種では、駅前より生活動線や駐車場の方が重要になることもあります。
Q貸主はどこまで立地を理解しておくべきですか?
専門家ほど細かく分析する必要はありません。ただし、自分の物件がどんな業種に合いやすいか、どんな利用者にとって便利かは説明できる状態にしておくと、募集や商談が進めやすくなります。
QFCテナントから申し込みがあれば安心ですか?
必ずしも安心とは言えません。FC本部と加盟店側で立地判断の精度が違うことがあります。なぜその物件を選ぶのか、競合や利用者をどう見ているのかを確認しましょう。
Q空き区画に合う業種はどう考えればよいですか?
面積、視認性、導線、周辺人口、競合、駐車場、利用者の目的を整理します。そのうえで、物件条件と業種特性が合うものから優先して検討すると判断しやすくなります。
まとめ:良い立地は業種と利用者から逆算する
良い立地は、駅前や人通りだけで決まるものではありません。
その業種のお客さんがどこから来て、なぜその場所を使い、競合が増えたときにも選び続けるのか。ここまで見ることで、物件の本当の強みが見えやすくなります。
貸主側が立地の見方を持っておくと、テナント募集でも、出店希望者との会話でも、判断の精度が上がります。短期的に埋めるだけでなく、長く続くテナントを選ぶためにも、業種と利用者の動きから逆算して考えてみてください。
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