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こんにちは、テナントの窓口のくっつーです。

店舗物件の募集図面には、「敷金6か月」「保証金6か月」「償却20%」などの条件が並びます。似た言葉が多く、結局いくら戻るのか分からない方もいるでしょう。

結論からいうと、店舗契約では敷金か保証金かという名称だけで判断せず、預ける目的、償却、返還条件を契約書で確認することが重要です。

私は、募集図面の「敷金」「保証金」という名称だけで判断せず、契約書で返還条件と償却条件を確認します。

この記事では、敷金・保証金の基本、保証会社へ払う費用との違い、返還額の計算、契約前の確認手順を整理します。

この記事でわかること
  • 店舗契約における敷金と保証金の考え方
  • 保証会社の保証委託料との違い
  • 保証金6か月・償却20%の計算方法
  • 契約前に確認する返還条件
  • 退去時に返還額が決まる流れ
この記事がおすすめな人
  • 初めて店舗物件を借りる方
  • 敷金と保証金の違いが分からない方
  • 償却後にいくら返るか計算したい方
  • 契約書を受け取る前に確認項目を整理したい方

店舗の敷金と保証金は名称だけで判断しない

店舗賃貸の実務では、敷金と保証金が、貸主へ預ける金銭として同じように使われることがあります。一方で、地域、建物、契約によって用語の使い方は異なります。

そのため、「敷金なら全額戻る」「保証金なら戻らない」と名称だけで結論を出せません。

法務省の民法622条の2に関する説明では、敷金は、名称を問わず賃料債務などを担保する目的で借主が貸主へ交付する金銭とされています。

契約が終わり、物件を返した後に、未払債務があれば差し引き、残額を返還するのが基本構造です。

ただし、店舗の賃貸借では、償却、解約条件、原状回復などの特約が置かれます。民法の一般論だけで自分の返還額を決めないでください。

確認するのは名称ではなく、何を担保し、何が差し引かれ、いつ返る契約なのかです。

募集図面だけで返還額を確定しない

募集図面は物件を検討する入口です。申込条件、重要事項説明、賃貸借契約の数字と文言を照合してください。

敷金・保証金と保証会社費用の違い

敷金・保証金と、家賃債務保証会社へ支払う費用は別です。言葉に「保証」が入るため、初めて借りる方ほど混同しやすい項目です。

敷金・保証金は、主に貸主へ預ける金銭です。契約終了時に、償却や未払債務などを精算した残額が返る可能性があります。

保証委託料は、借主が保証会社へ保証を委託するために支払う費用です。初回費用のほか、毎月または毎年の継続費用が設定される場合があります。

保証会社を利用しても、敷金・保証金が不要になるとは限りません。 貸主は両方を契約条件にすることがあります。

契約前には、次の支払先を分けて一覧にします。

費用主な支払先返還の確認
敷金・保証金貸主償却、控除、返還時期を契約で確認
保証委託料保証会社規約と請求書で返金条件を確認
前家賃・共益費貸主等対象期間と日割りを確認
仲介手数料仲介会社媒介契約・請求書を確認

費目名だけで支払先や返還性を推測しないでください。 請求書に「保証金」とだけあれば、誰へ何の目的で払う金銭か確認します。

保証金6か月・償却20%の計算例

月額賃料10万円、保証金6か月、償却20%の条件で計算してみます。

保証金は、10万円×6か月で60万円です。償却額は60万円×20%で12万円となります。

償却だけを反映した残額は、60万円−12万円で48万円です。

ただし、この48万円が必ず返還されるわけではありません。 未払賃料、原状回復費、その他の契約上の控除があれば、さらに精算される可能性があります。

反対に、どの費用でも自由に差し引けるわけではありません。控除の根拠、見積もり、明細を確認します。

「20%償却」と「2か月償却」は別の表示

償却は、預けた金額に対する割合で書かれる場合と、賃料の月数で書かれる場合があります。

保証金6か月で20%償却なら、保証金全体の20%です。「2か月償却」は賃料2か月分の意味で使われることがありますが、算定基礎は契約文を確認しなければ決まりません。

「解約時償却」「契約時償却」といった時点の違いもあります。計算結果が同じに見えても、会計や精算の扱いは専門家へ確認してください。

賃料改定がある場合の基準額を見る

長期契約では、契約途中に賃料が変わる可能性があります。償却が当初賃料基準か、解約時賃料基準か、契約書の算定式を読みます。

共益費を含むか、消費税をどう扱うかも、数字だけでは分かりません。「賃料」の定義を契約内でそろえてください。

月数を円に直してから比較する

6か月、10か月という表示だけでは資金負担を比較できません。実額、償却後残額、他の控除を一つの表へまとめます。

候補物件は「預ける額」と「戻らない額」を分けて比較する

敷金・保証金が多い物件ほど、単純に条件が悪いとは限りません。返還される可能性がある預託金と、契約時点で戻らない費用を分ける必要があります。

例えば、保証金6か月・償却なしの物件と、保証金4か月・償却2か月と記載された物件を比べます。後者は償却の算定基礎を契約文で確認し、円に直してから比較します。

一方で、保証金を長期間預けること自体が資金繰りを圧迫します。返還予定額だけでなく、営業中に使えない資金として見てください。

候補物件ごとに、次の5列を作ります。

  • 契約時に預ける金額
  • 契約時点または退去時に償却される金額
  • 償却以外に返還を左右する条件
  • 契約上の返還予定時期
  • 返還を見込まずに残せる運転資金

礼金、仲介手数料、保証委託料などは別の列へ置きます。預託金と消費される費用を一つの「初期費用」へまとめると、比較を誤りやすくなります。

内装工事費や設備費も、保証金とは回収方法が違います。開業時に出ていく現金、営業中に使えない現金、退去後に戻る可能性がある現金へ分けます。

初期費用の少なさだけで選ばず、返還性と運転資金への影響を同じ表で比べてください。

比較表には、想定退去時期も入れます。短期で移転する可能性がある事業と、長期間営業する事業では、預託金と償却が資金へ与える影響が変わります。

ただし、退去時期を決めたからといって返還額が確定するわけではありません。中途解約、短期解約違約、契約更新などの条項も別に確認します。

物件Aと物件Bで迷ったら、契約時支出だけでなく、営業開始後の現金残高を月ごとに並べてください。保証金を払った後も、仕入、人件費、広告費を払える状態が必要です。

契約前に確認する7項目

敷金・保証金の条件は、次の7項目に分けると確認しやすくなります。

1.預ける総額

何の月額に何か月を掛けるかを確認します。賃料だけか、共益費や税を含むかを円で記録してください。

2.支払時期と支払先

申込時、契約時、引渡し前のどこで払うかを確認します。振込先名義が貸主、管理会社、保証会社のどれかも照合します。

3.償却の割合・月数・時点

償却があるなら、割合か月数か、契約時か解約時かを確認します。更新や再契約で追加償却があるかも見ます。

4.未払債務の控除

未払賃料、共益費、水道光熱費など、何が預託金から精算されるかを確認します。

5.原状回復との関係

償却が原状回復費を含むのか、原状回復費を別に負担するのかは重要です。「償却があるから工事費は不要」と決めつけないでください。

6.返還の時期

明渡し後何日以内か、原状回復や精算完了後かを確認します。次の出店資金へ使う予定なら、返還時期の遅れも資金繰りへ入れます。

7.承継・名義変更の扱い

法人化、事業譲渡、居抜き譲渡などで契約主体が変わる場合、預託金がどう扱われるかを確認します。

7項目を円と日付へ変換すると、募集条件の見た目では分からない負担が見えます。

申込書から契約書まで数字を照合する

募集図面に保証金6か月とあっても、申込交渉で条件が変わる場合があります。最終条件は、貸主の回答と契約書案で確認します。

まず、募集図面を保存します。賃料、共益費、保証金、償却、礼金、更新条件、契約期間を一覧にしてください。

次に、申込書へ希望条件を書きます。保証金や償却を相談する場合は、希望額と理由を具体的に示します。

貸主が承諾したら、回答内容を文章で残します。口頭で「少し下げる」と言われただけでは、どの項目が変わったか分かりません。

契約書案を受け取ったら、募集図面、申込書、貸主回答と一行ずつ照合します。保証金だけでなく、償却と返還時期まで比べます。

重要事項説明では、分からない条文に印を付けて質問してください。署名直前に初めて数字を見る進め方は避けます。

数字が同じでも文言が違う箇所を見る

募集図面と契約書の両方に「保証金6か月」と書かれていても、償却や返還条件が同じとは限りません。

「解約時20%償却」と「契約終了時に賃料2か月分を控除」では、計算基準や対象時点が異なる可能性があります。

また、「原状回復費を別途負担」「未払債務を控除」といった周辺条項が、返還額を左右します。

表の数字へチェックを付けるだけでなく、その数字を定義する文章まで読みます。参照されている別紙や特約も一緒に確認してください。

修正案と最終版を取り違えない

交渉中は、契約書案が複数届くことがあります。ファイル名だけで最新版と判断せず、更新日と修正箇所を確認します。

保証金の月数が直っても、償却率が旧条件のまま残る場合があります。最終署名版を基準に、変更点をもう一度読み返してください。

変更条件は契約書へ反映して完成

交渉で合意しただけでは確認は終わりません。最終契約書へ同じ金額・割合・期限が入ったかを読んでください。

退去時に返還額が決まる流れ

敷金・保証金の返還額は、解約通知を出した時点だけでは確定しません。契約終了、物件返還、債務精算という順序で決まります。

退去を考え始めたら、解約予告期間、償却、原状回復、返還期限を契約書から抜き出します。

貸主や管理会社と明渡し方法を確認し、工事範囲を記録します。口頭指示だけで工事を進めず、見積もりと承諾の関係を残してください。

明渡し後は、償却額、未払債務、原状回復等の精算明細を確認します。入金額だけを見て、差額の理由を不明のままにしないことが大切です。

返還金を次の物件の契約金に充てる計画は慎重に立てます。返還が新規契約の支払期日に間に合うとは限りません。

よくある質問

ここからは、本文で触れていない更新、貸主変更、支払条件について、五つの実務疑問へ答えます。

Q
契約更新時に保証金の追加預託を求められることがありますか?

A

契約更新時に保証金の一部を償却し、その分を追加で預ける条件が置かれる場合があります。更新条項から、償却額、補充期限、更新後の保証金残高を確認してください。

「更新料」と「保証金の追加預託」は別の支払いです。請求書の費目だけで判断せず、契約本文と更新合意書の根拠条項を照合します。

Q
貸主が変わった場合、保証金の返還義務は誰が負いますか?

A

保証金が借主の債務を担保する敷金として扱われる場合、物件売買に伴って返還義務が新しい貸主へ承継されると整理されることがあります。

ただし、建設協力金など別の性質が混ざる保証金は同じ結論にならない場合があります。貸主変更の通知、契約書、預り証を確認し、返還請求先を専門家へ確認してください。

Q
敷金・保証金に利息は付きますか?

A

利息を付けるかどうかは、契約書の定めを確認します。長期間預ける金額でも、借主側が当然に利息を受け取れると見込まないでください。

資金計画では、返還予定の元本と利息の想定を分けます。条項が不明確な場合は、貸主や仲介会社へ確認し、必要に応じて弁護士へ相談します。

Q
敷金・保証金を分割で支払えることはありますか?

A

分割払いを希望として交渉できる場合はありますが、貸主が認める保証はありません。申込時に支払回数、各支払日、引渡しまでに必要な金額を具体的に示します。

合意した場合は、口頭回答のままにせず契約書や覚書へ反映します。支払いが遅れた場合の契約解除や鍵の引渡し条件も確認してください。

Q
賃料が改定された場合、保証金の金額も変わりますか?

A

保証金が「賃料の6か月分」と定められているか、金額を固定して定められているかで扱いが変わります。賃料改定時に追加預託や一部返還があるかを変更合意書で確認してください。

償却の算定基礎も、当初賃料と改定後賃料のどちらかを確認します。賃料だけを変更し、保証金と償却条件を曖昧なまま残さないことが大切です。

まとめ:月数より返還条件まで読む

店舗契約の敷金と保証金は、名称だけで完全に区別できません。預ける目的と契約条項を見て判断します。

月額賃料10万円、保証金6か月なら預託額は60万円です。償却20%なら12万円ですが、返還額は他の精算条件も含めて決まります。

契約前には、総額、支払先、償却、控除、原状回復、返還時期、承継の7項目を確認してください。

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償却の算定基礎や返還条件を個別に整理したい方は、署名前にテナントの窓口へご相談ください。