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区分店舗を探していると、駅からの距離や表面利回りが最初に目へ入ります。しかし、店舗は駅に近ければ必ず商売が成立するわけではありません。反対に、駅から離れていても、人が日常的に通る場所なら検討できることがあります。

今回、私は4件目となる区分店舗を購入することにしました。駅から徒歩約10分で、専用駐車場もありません。それでも、生活動線、周辺店舗、視認性、現行賃料、契約更新の時期を重ねると、購入を検討できると判断しました。

この記事では、購入価格2,200万円、約18坪の実例をもとに、区分店舗を買う前に確認したいポイントを整理します。なお、賃料増額や看板設置はまだ実現した成果ではありません。購入時点の見立てと、今後確認すべき課題を分けてお伝えします。

この記事でわかること
  • 駅から遠い区分店舗でも検討できる立地条件
  • 現行賃料と購入価格から表面利回りを確認する方法
  • 賃料改善を「確定収益」にしない考え方
  • 看板、駐車場、管理規約を購入前に確認する理由
この記事がおすすめな人
  • 区分店舗を購入したい事業用不動産オーナー
  • 駅から遠い店舗物件を買うか迷っている方
  • 現テナントの賃料が相場より安い物件を検討している方
  • 表面利回りだけでは購入判断が難しい方

区分店舗は駅距離だけで判断しない

今回の物件は、駅から徒歩約10分です。専用駐車場もないため、駅距離と駐車場だけを見れば、分かりやすい好条件とはいえません。

それでも購入を決めたのは、現地を歩くと、駅距離とは別の人の流れが見えたからです。

山谷:駅から徒歩10分くらいなら、まあまあ歩きますね

くっつー:遠いんですけど、ロードサイドで、近隣の人にとっての生活動線になっているんです

  • クリーニング店や医療機関など、生活に必要な施設がある
  • 飲食店やサービス店舗が道路沿いに続いている
  • 1階路面で、通行する人から店舗の存在が見えやすい
  • 調査時点では、周辺に目立つ空き店舗がなかった
  • 現行賃料でも一定の収益を見込める

区分店舗では、駅から何分かだけでなく、その場所を誰が、何のために通るのかを見ることが重要です。

駅から近くても、1本内側へ入り、周囲に店舗がなく、人の流れが見えない物件はあります。私は店舗物件を買うときは必ず現地を確認し、地図や販売資料だけで決めないようにしています。

店舗物件の立地を住宅と同じ駅距離だけで判断できない理由は、好立地・いい物件の見極め方でも詳しく整理しています。

4件目に購入した区分店舗の概要

今回の物件は、上階が住居、1階が区分店舗になっている建物です。現在は事務所として使われており、同じテナントが約7年入居しています。

項目動画内で確認できた内容
購入価格2,200万円
面積約18坪
現在の用途事務所
現行賃料坪8,000円
現テナントの入居期間約7年
契約普通借家契約
次回更新動画撮影年の年末予定
立地駅徒歩約10分、1階路面
駐車場専用駐車場なし

私はこれまで、回転寿司店、スナックの区分店舗、都内の区分店舗を購入してきました。今回はそれに続く4件目です。

前回の3件目で確認した購入判断や契約までの経過も、区分店舗投資を比較する材料になります。

駅徒歩10分でも購入した立地の理由

店舗の立地を確認するときは、駅から物件までの時間だけでは足りません。今回、購入判断につながった現地の特徴を3つに分けます。

生活動線上に店舗と生活サービスが連なっていた

周辺には、クリーニング店、歯科、内科、飲食店などがありました。駅前のにぎわいとは違いますが、近隣で暮らす人が日常的に利用する施設が道路沿いに集まっています。

この状態なら、駅へ向かう人だけでなく、近隣住民が買い物や通院で通る流れを期待できます。店舗の前を通る理由が複数あることは、駅距離だけでは分からない材料です。

1階路面で視認性があり、周辺に空室が見当たらなかった

物件は1階路面で、道路から店舗の顔が見えます。道路にも一定の幅があり、外観の状態も悪くありませんでした。

また、調査時点では、周辺の店舗区画に目立つ空室が見当たりませんでした。これは将来の入居を保証するものではありませんが、沿道で店舗需要が続いているかを見る参考になります。

1本内側で人の流れが見えない物件なら見送る

私は相談を受けた物件をすべて勧めているわけではありません。駅からの距離にかかわらず、道路から1本入り、周囲に店舗がなく、誰が物件の前を通るのか見えない場合は、早い段階で見送ることがあります。

店舗物件の現地確認では、「駅に近いか」より「この場所で営業を続けられる業種が想像できるか」まで見る必要があります。

現行賃料でも表面利回りは約7.9%になる

次に見たのが、購入価格と現行賃料の関係です。面積約18坪、現行賃料が坪8,000円なら、月額賃料は単純計算で14万4,000円になります。

坪単価月額賃料年間賃料購入価格2,200万円に対する表面利回り
8,000円144,000円1,728,000円約7.9%
10,000円180,000円2,160,000円約9.8%
12,000円216,000円2,592,000円約11.8%

この表は、購入価格と賃料だけを使った概算です。購入諸費用、管理費、修繕積立金、固定資産税、保険料、修繕費、空室期間などは含んでいません。

そのため、坪1万円へ上げられれば利回り約10%、坪1万2,000円なら約12%という見立ては、あくまで改善余地です。実質収支や手残りを示す数字ではありません。

表面利回りの上昇を、購入後の確定収益にしない

賃料増額が実現しなければ、収益は現行条件のままです。増額交渉をきっかけに退去が発生すれば、空室期間や募集費用も生じます。購入判断では、現行賃料でも保有できるかを先に確認します。

更新時期は賃料相談の機会だが、増額の保証ではない

現テナントの契約更新は、動画撮影年の年末を予定していました。購入から約半年後に更新時期が来るため、現在の賃料について話し合う機会を持てると考えています。

ただし、普通借家契約の更新時期だからといって、貸主が一方的に希望賃料へ変更できるわけではありません。現テナントは約7年入居しており、長期入居の安定性もあります。

判断するときは、次の比較が必要です。

  • 現行賃料を維持して入居を継続してもらう
  • 根拠を示して賃料増額を相談する
  • 増額による退去と、その後の募集期間を想定する
  • 将来募集できる賃料と、空室中の損失を比較する

「相場より安いから上げられる」ではなく、入居継続と空室リスクを含めて手残りが増えるかを確認することが大切です。

看板・駐車場・用途は購入前に残したくない確認事項

今回の物件には良い点だけでなく、購入後に確認が必要な点もあります。特に看板、駐車場、将来用途は、募集できる業種に影響します。

看板は専有部分か共用部分かを確認する

路面店舗は、建物の外から見つけてもらえるかが重要です。ところが、今回の物件は大きな看板を出せるか、管理規約だけでは判断できませんでした。

山谷:大きい看板を付けられるかは、管理規約に書いてありますか?

くっつー:見たんですけど、書いていませんでした。管理組合へ相談する必要がありますね

壁面や敷地の一部が共用部分なら、管理組合の承認が必要になる可能性があります。購入前には、看板を付けたい場所、既存の使用細則、過去の承認事例まで確認したいところです。

駐車場なしでも成立する業種を想定する

専用駐車場がないことは弱点です。車での来店が中心になる業種では、候補から外れる可能性があります。

一方、近隣住民が徒歩や自転車で利用するサービス、物販、事務所などなら、専用駐車場がなくても検討できる場合があります。周辺にどの業種が残っているかを見て、入居候補を具体的に想定します。

用途の広がりは法令・設備・管理規約とセットで見る

現在は事務所として使われていますが、将来は物販店やサービス店舗へ貸せる可能性も検討しています。

ただし、面積だけで用途を決めることはできません。用途地域、建築・消防上の条件、電気・給排水・排気などの設備、管理規約、賃貸借条件を確認し、実際に入居できる業種を絞る必要があります。

区分店舗の固定費や空室時の収支リスクは、下駄履き物件の記事で詳しく解説しています。

私が区分店舗の現地確認で見ている7項目

今回の購入判断を、別の物件でも使える確認項目に整理します。

  1. 周辺に店舗や生活サービスが連続しているか
  2. 物件前を通る人の目的と生活動線が見えるか
  3. 間口、視認性、看板を出せる余地があるか
  4. 駐車場がなくても成立する業種を想定できるか
  5. 現行賃料と将来募集賃料に根拠があるか
  6. 更新時期、退去リスク、空室期間を比較したか
  7. 管理規約、固定費、用途・設備の制約を確認したか

すべてが満点の物件でなければ買えないわけではありません。弱点が収益や募集へどの程度影響するかを把握し、現行条件でも保有できるかを確認します。

購入前に「退去したら何業種へ、いくらで貸すか」を言葉にする

現テナントがいる状態でも、退去後の募集条件を仮置きできます。業種、賃料、看板、工事、募集期間を整理すると、改善余地と希望的観測を分けやすくなります。

よくある質問

Q
現行賃料が相場より安ければ、必ず収益を上げられますか?

A

必ず上げられるわけではありません。周辺相場や契約条件に根拠があっても、増額はテナントとの協議が必要です。退去が起きた場合は、増額分より空室損失が大きくなることもあります。

Q
普通借家契約の更新時に賃料を変更できますか?

A

更新時期は賃料を話し合う機会にはなりますが、自動的に変更されるものではありません。現在の契約内容、周辺相場、物件条件を確認し、必要に応じて不動産会社や法律の専門家へ相談してください。

Q
区分店舗の看板は自由に設置できますか?

A

自由に設置できるとは限りません。設置場所が専有部分か共用部分か、管理規約や使用細則で認められているか、管理組合の承認が必要かを確認します。屋外広告物に関する地域のルールも確認が必要です。

Q
駐車場がない店舗物件は投資対象から外すべきですか?

A

一律に外す必要はありません。車での来店が中心の業種には不利ですが、徒歩・自転車の生活動線上にあり、近隣住民が利用する業種を想定できるなら検討余地があります。

Q
事務所から物販・サービス店舗へ変更できますか?

A

物件ごとの確認が必要です。用途地域、建築・消防上の条件、管理規約、電気・給排水・排気設備などにより、入居できる業種は変わります。面積が小さいことだけを理由に変更可能とは判断できません。

Q
表面利回り以外にどの費用を確認すべきですか?

A

購入諸費用、管理費、修繕積立金、固定資産税、保険料、専有部分の修繕費、原状回復、空室期間、募集時の費用を確認します。区分店舗では、看板や設備工事に管理上の制約があるかも収支へ影響します。

まとめ:区分店舗は生活動線・収支・管理条件を現地で重ねて判断する

今回の物件は、駅徒歩約10分、専用駐車場なしという弱点があります。それでも、生活動線上に店舗が連なり、1階路面の視認性があり、現行賃料でも一定の表面利回りを見込めることから購入を判断しました。

一方、賃料増額、看板設置、将来の用途はまだ未確定です。購入後にどうなったかは、今後の交渉や募集の経過とともに検証していきます。

区分店舗を買う前に、現在の入居状況だけでなく、退去後にどの業種へ、いくらで貸せるかまで整理しておくことが重要です。

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