こんにちは、テナントの窓口のくっつーとやまやです。
今回は、くっつーさんが夜逃げされた店舗物件を買って直後に直面した、思わぬ修繕トラブルの実話をご紹介します。大量の残置物に囲まれた物件、通電されない設備、どこまで直せばいいのかわからないトイレ……。そんななか「トイレが止まらない!」という緊急事態が発生!でも、だからこそ見えてきた“オーナーとしての判断”と“入居者との信頼関係の築き方”がありました。
この記事では、膨らむ修繕費にどう立ち向かったのか、入居者と育んだ“持ちつ持たれつ”の関係、そしてこれから店舗物件を買おうと思っている人へのリアルな学びをお届けします。
この記事でわかること
この記事はこんな方におすすめ
夜逃げされた店舗物件を購入!くっつーが直面したリアルなトラブルとは?

物件購入の喜びも束の間、くっつーさんが手に入れたのは“夜逃げされた店舗”。大量の残置物とインフラ未確認の状態で購入を決断した背景には何があったのか?現場で直面した驚きの状態と、その後の流れをリアルに語ります。
購入した物件はまさかの“残置物だらけ”の夜逃げ案件だった
くっつー:はい、いきなりなんですが、買った物件、ほんと“残置物モリモリ”だったんですよ(笑)。
やまや:夜逃げされた物件だと、家具から看板、ビールサーバーまで残っていることありますよね。まさに“お宝”か“厄介”か、ですね。

夜逃げされた物件では、家具や設備など「残置物」が大量に残っているケースが少なくありません。しかし、法律上それらを勝手に処分するとトラブルにつながるため、慎重な対応が求められます
水道トラブル発生!トイレから水が止まらない緊急事態に
くっつー:そんななか、入居者のスナックのママさんから「トイレが水浸しで止まらない!」って連絡が……。
やまや:まさかの緊急事態。契約上はどちらの責任だったんですか?
くっつー:契約上は「入居者負担」でしたが、私がおこないました!

契約書によって修繕責任の範囲が定められていることがありますが、オーナーがあえて対応することで入居者との信頼が深まる場合もあります
修繕費用は想定の5倍!?オーナーの判断と入居者との関係づくり

本来であれば契約上オーナーの責任ではなかった修繕。それでもくっつーさんが「自腹で修繕」を決断した理由とは?
入居者との信頼関係を築くための判断や、その背景にある考え方に迫ります。
契約内容に沿えば対応不要だったが……あえて修繕を決断した理由
くっつー:契約上「現状のまま引き渡すため修繕等は入居者負担」となっていました。でも、入居者さんにも色々動いてもらっていたし、ここは関係が大事と思って、おこないました。
やまや:その判断、大事ですよね。信頼関係ってお金じゃ買えないですし。

オーナーが予想外のトラブルに柔軟に対応することで、入居者との長期的な信頼関係を築くことができます。これは収益面でもプラスにつながる可能性があります
修繕費用は4.7万円!費用と時間、どちらを取るかのリアルな判断
くっつー:平時なら1万円くらいかと……。でも業者からはタンク交換込みで、最終的に4万7,000円。正直痛い出費でした(笑)。
やまや:時間と手間、そして人間関係。どれを重視するかを選んだ判断ですね。

修繕費用と時間・労力のコストを比較して判断するのは、オーナー判断の重要な視点のひとつです
原状回復・内装工事も入居者が主導!美しく生まれ変わった店舗

トイレトラブルを乗り越えた先には、入居者自身の手によって進められた“店舗再生”のストーリーがありました。DIYだけでなく業者もうまく活用しながら、見違えるような空間を作り上げていったその努力と情熱は、オーナーであるくっつーさんにも大きな感動を与えました。
クロス・椅子のリメイクから高圧洗浄まで!入居者の気合いがすごい
くっつー:中見たらもうビックリで。クロスとか、天井とか、めちゃくちゃ綺麗になっていたんですよ。
やまや:ママさん、気合い入ってますね(笑)。やっぱり“念願の開業”っていう想いがすごいんでしょうね。
くっつー:そうそう。クロスはレッドイノベーションみたいな色で、統一感もあるし、おしゃれだったんですよ。
やまや:それ、業者さんに頼んでるんですか?DIY?
くっつー:クロスや塗装は業者だけど、椅子の塗装は全部自分でやってくれたみたいです。あと清掃もすごくて、高圧洗浄まで入れてピカピカに。

開業前の準備として、内装や清掃を入居者自身がおこなうケースも少なくありません。店舗の雰囲気づくりやコスト削減にもつながります
内装費用を抑える工夫と“持ちつ持たれつ”の関係性
くっつー:正直、ここまでやってくれるとは思ってなかったです。ほんとありがたい。
やまや:関係性ってこういうときに出ますよね。オーナー側もちゃんと対応したから、入居者さんも本気出してくれた。
くっつー:そうなんです。だから僕も、カラオケ機器とか導入の話も聞いて、オープンしたら歌いに行きますって言いました(笑)。
やまや:それ最高(笑)。
くっつー:あと、業者費用もなるべく抑えながら、自分たちでできることはやるってスタンスが、すごく良かったと思ってます。

オーナーと入居者が信頼関係を築き“協力体制”を作れると、結果的に双方のコストやトラブルも減らすことができます
オーナー視点で得た学びと、これから物件を買う人へのアドバイス

初めて物件を買ったくっつーさんにとって、今回の一連のトラブルと内装の流れは大きな学びとなりました。オーナーとして何を優先すべきか?
どんな準備をしておくべきか?これから店舗物件を買おうとしている方に向けて、リアルな視点からアドバイスをお届けします。
小さなトラブルが大きな負担に?事前の確認と準備がカギ
くっつー:とにかく「買う前に全部チェックしとけよ」って過去の自分に言いたいですね(笑)。
やまや:でも、夜逃げ物件とか急いでる案件って、どうしても現況引き渡しが多いですよね。
くっつー:そうなんですよね。だから“運もある”って正直思います。でも、最低限、電気・ガス・水道が通るかどうかは絶対確認しないとですね。

夜逃げ物件など現況引き渡し物件では、設備の状態確認ができないこともありますが、インフラ確認だけでも可能な限り実施することがトラブル防止に繋がります
物件購入の“想定外”にどう備える?リアルな経験から学ぶこと
くっつー:4万7,000円のトイレ修繕で済んだからいいけど、排水管だったら20万とかいっていたかもしれないですからね。
やまや:確かに……。もし100万超える修繕だったらどうしてました?
くっつー:それはもう……無理です(笑)。でも、今回の経験で“想定外は起きる前提”で構えとくことの大切さがわかりました。
やまや:リアルですね。それが“オーナー目線”というやつですね。

想定外の支出に備えるには、修繕費用を含めた予備資金の確保、信頼できる業者の事前選定、契約内容の精査が重要です
この記事から学べる5つのポイント

1. 夜逃げ物件の残置物は“リスク”と“チャンス”の両面がある
夜逃げ物件には、前テナントの設備や家具がそのまま残されているケースが多く、費用削減のチャンスにもなります。しかし、勝手な処分は法的トラブルにつながる可能性があるため、処理方法には細心の注意が必要です。
2. 契約でカバーしていても、関係構築には柔軟な対応が効果的
契約上、修繕責任が入居者にあるとしても、あえてオーナーが対応することで、入居者との信頼関係が深まることがあります。結果として、長期的な安定運営や満足度の向上につながる判断となることも。
3. 想定外の修繕費にも対応できる“心と財布の余裕”を持つ
1万円で済むと思っていた修繕が、まさかの4万7,000円……。予想外の支出は必ず発生するものとして、最初から予備予算を用意しておくことが、オーナーとしての基本姿勢になります。
4. 入居者のやる気が空間を変える!DIYと信頼関係の効果
オーナーが誠実に対応すれば、入居者もまた前向きな姿勢で応えてくれるものです。DIYによる内装工事や清掃など、費用を抑えつつも高品質な空間を一緒に作ることができれば、理想的な“持ちつ持たれつ”の関係が築けます。
5. インフラ設備の確認と“最悪のケース”の想定が鍵
電気・ガス・水道が使えるかどうか、最低限の確認は必ずおこないましょう。また、万が一の大きな修繕リスクにも備えるために、事前の調査や契約内容の見直し、信頼できる業者との関係づくりが欠かせません。