はい、どうも。テナントの窓口です。
今回の記事では「土地を貸すとき、地代はいつからもらうのが正解なのか?」という、大家さんや地主さんが必ず悩むテーマを取り上げます。
特に、建物がまだ建っていない土地を貸す場合は、
- 「契約した瞬間から地代をもらうのか」
- 「工事が始まってからなのか」
- 「オープンしてからなのか」
この判断でトラブルになるケースも少なくありません。
この記事では、実際の相談内容をもとに、事業用定期借地のリアルな相場感と実務の考え方を、会話形式でわかりやすく解説します。
この記事でわかること
この記事はこんな方におすすめ
今回の相談内容と結論の全体像【土地賃貸の地代タイミング】

土地を貸す場面では「どの時点から地代が発生するのか」が最初の大きな別れ道になります。
ここでは、実際に寄せられたリアルな相談内容をもとに、今回のテーマ全体像と結論の方向性を整理していきます。
土地を貸すケースでよくある悩みとは
くっつー:はい、どうも、テナントの窓口です。よろしくお願いします。
やまや:お願いします。
くっつー:なんか相談があるみたいで。
やまや:そうなんです。私、今まで店舗仲介を2年くらいやってきたんですけど、ほとんど居抜きで。今回初めて土地を扱うことになって、そこが元ガソリンスタンドなんですよ。
くっつー:ああ、なるほど。
やまや:整理して、飲食店さんが自分で建物を建てたいという話で。土地は埼玉で、工事からオープンまで時間がかかるじゃないですか。
くっつー:そうですね、長いですね。
やまや:そのときの賃料をどうするかが今リアルな悩みなんです。

土地賃貸は建物がない状態から始まるため、契約、引き渡し、着工、オープンと段階があります。この流れを整理せずに地代を決めると、あとから認識のズレが生まれやすくなります
結論から言うと地代は「工事開始」からが基本
くっつー:結論から言うと、一番スタンダードなのは着工からです。
やまや:着工からですか。
くっつー:はい。工事中地代は半額、これが基本です。
やまや:契約から20%とかは、あんまりないですか。
くっつー:ほぼないですね。大半は0です。

実務では、土地を実際に使える状態になってから賃料が発生します。そのため、契約から着工までは0円、工事中は半額、オープン後に満額とする形が一般的です
土地賃貸と居抜き物件の違い【地代発生の考え方】

土地賃貸を理解するうえで欠かせないのが、居抜き物件との違いを正しく知ることです。同じ賃貸でも、前提条件がまったく異なるため、地代の考え方も大きく変わってきます。
居抜き物件で多いフリーレントとの違い
やまや:居抜きだとフリーレントとか普通にありますよね。
くっつー:そうですね。でも土地の場合は考え方が違います。そもそも建物がないので、すぐ営業できないんです。

居抜きは契約後すぐ使える前提で調整されますが、土地賃貸は造成や建築が必要です。使えるまでの期間が長いため、地代の考え方も居抜きとは異なります
土地は「使える状態」になるまで時間がかかる理由
やまや:確かに、契約してもすぐ使えないですもんね。
くっつー:そうなんですよ。引き渡しもまだですし。使う権利がないのにお金を払うのはおかしいんです。

契約しただけでは土地はまだ使用できません。実務では引き渡しや使用開始が賃料発生の基準となり、これを無視すると借主とのトラブルになりやすくなります
契約から工事開始までの地代はどうする?

契約を結んだあと、実際に工事が始まるまでの期間は意外と長くなりがちです。この「空白期間」に地代をどう扱うかは、貸主と借主の双方にとって重要な判断ポイントになります。
契約締結後すぐに地代は発生するのか
やまや:貸主さん側は20%欲しいって言っているんですよ。
くっつー:あー、それはなかなか厳しいですね。
やまや:やっぱりそうですか。
くっつー:借主さんが0にしてほしいのは普通です。それがスタンダードです。

契約から着工までは、設計や許認可など不確定要素が多く工事時期が読めません。そのため実務では、この期間の地代を0円とするケースが多くなります
契約〜着工まで地代0円がスタンダードな理由
くっつー:工事が始まらないのに、ずっと地代払うのは無理なんですよ。
やまや:確かに、いつ始まるかわからないですもんね。
くっつー:そうなんです。しかも、まだその土地を使える権利が確定していないような不安定な時期でもありますからね。20%でも払うと言ってくれるテナントがいたら、それはかなり素晴らしい条件ですよ。

工事が始まらない期間に地代を取ると、テナント撤退のリスクが高まります。貸主にとっても、条件を調整して成約させたほうが結果的に得になる場合が多いです
工事中地代の相場とスタンダードな設定

工事が始まったあとも、すぐにお店がオープンするわけではありません。この期間に設定される「工事中地代」について、実務で一般的とされている考え方を整理します。
工事中地代はなぜ半額が多いのか
くっつー:着工からオープンまでの期間については「工事中地代」というものが発生します。
やまや:工事中地代ですか。それはどれくらいが相場なんですか?
くっつー:地代の半額ですね。これが非常にスタンダードな形です。
やまや:なるほど、半分なんですね。
くっつー:むしろ「工事中は一切払わない」というケースは、あまりありません。工事が始まったら土地を占有しているので、半分は払いましょうねという話でまとまることが多いですよ。

工事中は土地を使用していても営業利益は生まれません。そのため実務では、利益が出ない状況への配慮として工事中地代を半額とするケースが一般的です
「工事中地代」という考え方と実務での扱い
くっつー:よく工事中地代って言います。
やまや:その言葉、使いやすいですね。
くっつー:そうなんです。説明もしやすいので「工事中地代」という5文字で覚えておくと交渉がスムーズになります。

工事中地代と名称を明確にし、契約書や覚書に明記することで、貸主と借主の認識ズレを防ぎ、後のトラブルを避けやすくなります。ことで、後のトラブルを防止できます
事業用定期借地契約と公正証書のタイミング

土地を事業用として貸す場合、通常の賃貸借とは異なるルールが適用されます。 特に重要なのが、公正証書の扱いと締結のタイミングです。
事業用定期借地で必須となる公正証書とは
くっつー:事業用定期借地って、公正証書が必要なんですよ。
やまや:そうですね、そこ重要ですよね。
くっつー:ここを知らない人、けっこう多いです。

事業用定期借地契約は、公正証書での締結が必須です。公正証書がない場合、事業用定期借地として成立しないリスクがあります
公正証書を巻くベストなタイミング
くっつー:一番きれいなのは工事が始まるタイミングです。
やまや:なるほど。
くっつー:その時点で賃貸借開始にするんです。

工事開始を使用開始と位置づけて公正証書を締結すると、契約内容と実態が一致し、法的にも実務的にも安定した契約になります
今回のケースから学べる土地賃貸の実務ポイント

ここまでの話を踏まえると、土地賃貸で失敗しないための共通点が見えてきます。実務目線で、押さえておくべき考え方を整理します。
契約から着工まで地代を取らない判断の重要性
くっつー:0%取らなくても普通ですって言っていいです。
やまや:それ、貸主さんに伝えます。
くっつー:その代わり、工事中地代はきっちりもらいましょう。

一部の条件を譲ることで、ほかの条件を守りやすくなります。その結果、貸主と借主の双方が納得しやすい契約につながります
トラブルを防ぐために事前に決めておくべきこと
くっつー:地代の段階は最初に全部決めておくことですね。
やまや:後出しは揉めますもんね。
くっつー:そのとおりです。

地代の発生時期や金額は、必ず事前に書面で整理することが重要です。曖昧なまま進めると、工期遅延や金銭トラブルにつながりやすくなります
この記事から学べる5つのポイント【土地賃貸の判断基準】

1. 契約しただけでは地代は発生しない
土地賃貸では、契約を結んだ時点が使用開始とは限りません。引き渡しや実際の使用開始前に地代を請求すると、実務上もトラブルになりやすいため注意が必要です。
2. 地代の基準は「工事開始」がひとつの目安
土地を実際に使い始めるタイミングとして、工事開始を基準にするケースが多く見られます。この考え方を事前に共有できるかどうかが、交渉をスムーズに進めるポイントになります。
3. 工事中地代は半額がスタンダード
工事期間中は営業ができず、利益も生まれません。そのため実務では、地代を満額ではなく半額とするのが一般的です。貸主と借主の双方が納得しやすい落とし所と言えます。
4. 契約から着工までの地代は0円が普通
設計や許認可など、工事前には不確定な期間がどうしても発生します。この期間を0円とする判断は、実務では決して珍しいものではありません。
5. 事業用定期借地は公正証書のタイミングが重要
事業用定期借地では、公正証書での締結が必須です。工事開始と同時に締結することで、契約内容と実態を一致させやすくなり、法的にも実務的にも安定した契約につながります。
「テナントの窓口」では、こうした土地活用や建物賃貸に関する、専門的なお悩みを解決するお手伝いをしています。
- 「土地を貸したいけれど、どんな条件で募集すればいいかわからない」
- 「空き店舗や遊休地の活用方法で迷っている」
- 「テナントとの契約条件が妥当かどうかプロの意見を聞きたい」
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