「もうこの案件は流れたかな……」そう思っていたテナント物件が、まさかの“1年越し”で契約に至る。そんなドラマのような出来事が、本当に起きました。

今回は「テナントの窓口」のくっつーとやまやが、実際に体験した“奇跡の復活劇”についてリアルに語ります。飛び込み営業でつかんだ偶然の出会い、高すぎた賃料、1年間の空室期間、そして奇跡のようなタイミングでの成約。

すべての流れには意味があり、学びがあります。

この記事でわかること

  • なぜ1年前に決まりかけた物件が今、成約したのか
  • 成約の鍵を握る「タイミング」と「柔軟な対応」の重要性
  • 不動産管理会社との連携ミスがもたらす影響とは?

この記事はこんな方におすすめ

  • 空きテナントの長期化に悩んでいるオーナー
  • テナント誘致における成功事例を知りたい方
  • 飲食・サービス業の出店者や仲介業者

1年前に見送りになった物件が、まさかの再始動!

まずは、2024年に一度検討されたものの、条件が合わずに見送りとなったテナント案件が、なぜ1年後に再び動き出したのか。その始まりは、たった一つの「飛び込み営業」でした

きっかけは飛び込み営業と偶然の出会い

くっつー:いや、今日はね、だいぶ前に「もう流れたかな」と思っていた案件が、急に復活したんですよ。

やまや:おお、復活!まさに奇跡の逆転劇ってやつですね(笑)。

くっつー:そうそう。あれは2024年10月のことでした。「飛び込み営業してみようかな」って思って、5件くらい回ったんですよ。

やまや:ちょうどその頃、飛び込み営業ってどうなの?って話してましたよね。で、やってみたんですね?

くっつー:はい。で、1件だけオーナーさんと直接話せたんです。その物件が、東横線のとある駅、徒歩1分の超好立地!

やまや:おお、場所がいい。で、その場で管理会社さんに繋いでもらえたんですね?

くっつー:そう。電話番号聞いたけど忘れちゃって(笑)。翌朝、電話してみたら、管理会社さんが出てくれて、すぐに物件を預かることができたんです。

やまや:早っ(笑)。しかも、閉店からたった2日後に訪問したんでしょ?ナイスタイミングすぎる。

くっつー

この案件は、閉店からわずか2日後の“スケルトン状態”の物件。一般的にテナント物件は情報公開されるまで時間がかかりますが、飛び込み営業だからこそ誰よりも早く情報にアクセスできました。このスピード感がその後の展開に繋がっていきます

この章のまとめ
  • 飛び込み営業から偶然の出会いに発展
  • 閉店2日後の物件を最速で押さえることに成功
  • 情報公開前に動けたことが大きなアドバンテージに

一度は高すぎて見送りに……その後の1年間の動き

くっつー:物件自体はめちゃくちゃ良かったんですけど、賃料が高かったんです。しかもスケルトンだったので、内装費もかかる。

やまや:スケルトンってことは、内装ゼロの状態ってことですね。イニシャルコストが大きい分、賃料が高いと厳しいですね。

くっつー:そうですね。5社が内見したけど、4社は断念。1社が申し込みしたけど、賃料が大幅減額だったんですよ。

やまや:だいたい何パーセントぐらいですか?

くっつー:約20%減ですね。でも当時はその値下げができなかった。オーナーさんも「この場所は良いから譲れない」って感じで。

くっつー

「良い立地だから高くても決まる」と思っているオーナーさんは多いですが、実際には市場とのギャップが成約を遠ざけます。スケルトン物件の場合、テナント側の初期投資が大きくなるため、賃料が適正でないと敬遠されがちです

この章のまとめ
  • スケルトン状態により内装コストが高額
  • 賃料も相場より20%ほど高く、敬遠された
  • オーナーの強気な姿勢が1年の空室につながった

2025年、奇跡のようなタイミングで再浮上

見送りから1年。誰もが忘れかけていたその物件が、ある日突然動き出します。きっかけは、まさに奇跡のような絶妙なタイミングでした。

管理会社も知らなかった「空き物件」の存在

くっつー:2025年10月1日「そういえばあの物件どうなってますか?」って、ある企業の担当者から連絡があったんです。

やまや:え、それ1年前に申し込み入れた企業さんですよね?

くっつー:そうなんです。「来年3月までにオープンしたいので、何かありませんか?以前申し込みした物件どうなりましたか?」って話があって。

やまや:いや、でも普通に考えたら、もうほかに決まっていると思いますよね。

くっつー:私もそう思って、一応管理会社に確認の電話を入れたんですよ。そしたら、なんと「9月末までの1年間決まらなかったため、賃料を減額しました。」って話だったんです。

やまや:え!管理会社からそのこと連絡なかったんですか?

くっつー:なかったんですよ。だから「なんで言わないの?」って本当に思いました(笑)。

やまや:すごいタイミングですね、それ。まさに10月1日に連絡して、10月1日に空いたって(笑)。

くっつー

物件の空き状況を管理会社がすぐに共有しないケースは珍しくありません。しかし、こうした情報の遅延がチャンスロスにつながることも。テナント誘致においては、仲介会社やエージェントがこまめに情報をキャッチアップすることが重要です

この章のまとめ
  • テナント希望者から偶然のタイミングで再問い合わせ
  • 管理会社からの情報共有がなかったことで機会損失の危険も
  • 1年ぶりに空きが出たその日、奇跡的にマッチングが成立

タイミングがピタリと合って決まった成約の背景

くっつー:その企業さん「今すぐ動ける」っていう状態だったんですよ。タイミングがほんと完璧でした。

やまや:でも条件はそのままじゃなかったんですよね?

くっつー:はい、オーナーさんも今回は条件を少し柔軟にしてくれて、20%くらいの賃料減額が通ったんです。だから即申し込みになりました。

やまや:じゃあ、結果的には1年前に高すぎた賃料が、今になってちょうどよくなったってことですね。

くっつー:そう。しかも、その企業さんも「来年3月までに複数店舗出さなきゃいけない」という経営判断があったから、迷わず決断してくれました。

くっつー

テナント契約は、タイミングと条件の一致が成否を分けます。出店側の都合やオーナー側の姿勢が噛み合ったとき、物件の魅力が最大限に活かされます。1年越しの成約は、双方のタイミングが一致したことによる結果でした

この章のまとめ
  • 出店側のニーズと物件の空きタイミングが完全に一致
  • 賃料20%減額という柔軟な条件調整が決め手に
  • 1年前の見送りが、結果的にベストな形で再スタートとなった

オーナーが陥りがちな「賃料設定の罠」

今回の事例から見えてきたのは「良い立地 = 高賃料でも決まる」と思い込んでしまうリスクです。立地が良くても、条件が市場に合っていなければ、空室が続くことも珍しくありません。

良立地でも「高すぎる賃料」はリスクになる

くっつー:これ、結局1年間空いちゃったわけじゃないですか。賃料ロスってけっこうな額ですよね。

やまや:そうですね。高賃料にこだわって空室を続けるのは、実は大きな損失なんですよね。恵比寿のとある物件も、めちゃくちゃ良い場所なのにずっと空いているんですよ。多分、賃料が高すぎるんでしょうね。

くっつー:ありますよね。駅前の角地とか、絶対に埋まりそうなところがずっと募集出ていると「あ、賃料か……」って思っちゃいますね。オーナーさん側も「この立地なら強気でいける」って気持ちはわかるんですけど、結果的に空いてしまうと本末転倒ですからね。

くっつー

「良い場所だから高くしても決まる」は、テナント誘致では通用しません。需要と供給のバランスを見誤ると、長期空室に繋がり、結果的に大きな収益損失を招きます。特にスケルトン物件や改装が必要なテナントでは、イニシャルコストも考慮した設定が重要です

この章のまとめ
  • 高立地でも条件が厳しければ成約には至らない
  • 空室が続けば賃料収入ゼロという大きなリスク
  • 市場相場を見て柔軟な設定をする意識が大切

柔軟な条件調整がもたらす長期的メリット

くっつー:結果的に今回は賃料を20%下げてもらって、即申し込みにつながったじゃないですか。

やまや:そうなんですよね。しかも、この企業さんって複数店舗展開しているから、長く借りてもらえる可能性も高いし。

くっつー:オーナーさんにとっても、長期で安定して賃料入るほうが絶対良いですからね。

やまや:私たちもそうなんですけど「良いお客さんに長く使ってもらう」って視点を持つと、多少の譲歩は投資になるんですよね。

くっつー:オーナーさんのなかには「もう少し待てばもっと高く貸せるかも」って気持ちもあると思うんですけど、タイミングを逃すと本当に損しちゃう。

くっつー

賃料を下げることは「妥協」ではなく「戦略」です。少し条件を緩和することで、空室リスクを避け、長期的な安定収益に繋げることができます。特に信頼できるテナントであれば、早期契約が結果的に大きなメリットを生み出します

この章のまとめ
  • 柔軟な対応が即成約につながるケースも多い
  • 長期的に見れば安定収益のほうがリスクが少ない
  • 良いタイミングを逃さず、機会損失を防ぐ意識が重要

まとめ|タイミングと柔軟性がテナント誘致の鍵

今回の対談では、1年間空いていた物件が「偶然の連絡と絶妙なタイミング」で成約に至った事例をもとに、テナント誘致におけるリアルな課題と学びを深掘りしました。改めて、タイミングと柔軟性がどれほど重要かがよくわかるエピソードでした。

今回の事例から得られる学びと実践ポイント

くっつー:やっぱり、テナント誘致ってタイミングなんですよね。今回も、1年前に申し込みしてくれていた企業さんが「今すぐ動きたい」って連絡くれたから決まったんです。

やまや:その企業さんが、もし経営方針変わっていたら、連絡すら来なかったかもしれないですもんね。ほんと偶然の積み重ねですよね。

くっつー:逆に、私たちも管理会社にこまめに確認してなかったら、空いたことに気づかなかったかもしれないですし。

やまや:ほんとに。あともう一つは、オーナーさん側の柔軟性。今回は20%賃料下げてもらえたから決まったんですよ。

くっつー:そう。実は過去にも似たような案件で、オーナーさんの気が変わって決まらなかったケースもあったんですよ。桜新町の物件とか……。

やまや:あー、あれも結局流れちゃいましたね。

くっつー:ほんと、タイミングと条件って紙一重。だから、オーナーさんにもぜひ知ってほしいですよね。強気すぎると、結果的に損するって。

やまや:そうですね。あの物件、1年で賃料をかなりロスしていたわけじゃないですか。最初から下げていたほうがよかったっていう。

くっつー:見てくださっているオーナーさんにも、ほんとに伝えたい。「決まるタイミングを逃さないこと」が、何よりも大事なんです。

くっつー

テナント誘致においては、マーケット感覚と柔軟性、そして日々の情報更新が重要です。今回の事例のように、偶然が重なったとしても、それを“チャンス”として活かす準備がなければ、結果はついてきません。オーナーとしても「今決めるべきか」の判断力が求められます

この章のまとめ
  • テナント誘致は「タイミング」が命
  • 賃料設定に柔軟性を持つことで早期成約が可能に
  • 空室期間が長くなるほど、収益ロスが大きくなる

この記事から学べる5つのポイント

1. 飛び込み営業のスピードがチャンスを掴む鍵になる

閉店からわずか2日後という超早期の段階で物件をキャッチできたのは、飛び込み営業による直接アプローチがあったからこそ。物件が市場に出る前に動くことは、大きなアドバンテージになります。

2. 高すぎる賃料設定は結果的に機会損失になる

どんなに好立地でも、相場を無視した高額設定はテナント側の負担になり、内見や申し込みが入っても成約には至りません。スケルトン状態の物件では、内装コストも加味して検討する必要があります。

3. 情報は待つのではなく「取りに行く」意識が大切

管理会社からの情報待ちでは、チャンスを逃すことも。今回のように、管理会社も共有していなかった空室情報をこちらからの確認で掴めたように、こまめな連絡と情報取得が成功の鍵となります。

4. オーナーの柔軟な対応が早期成約に直結する

20%の賃料減額が決め手となり、今回の成約が実現しました。「今しかない」というタイミングに乗れるかどうかは、オーナーの柔軟性次第。賃料を下げることは損ではなく、収益の安定化に繋がります。

5. タイミングを逃すと、1年の賃料ロスになるリスクも

結果論ではありますが、今回のように1年前から賃料を調整していれば、空室ロスを防げた可能性もあります。機会損失は見えにくいですが、非常に大きな影響を持つため、見極めと判断が重要です。