「半年以上空いていた店舗が、たったの1週間で内見が入り、1か月で申し込みが入った」
そんな嘘のような話が、実際に起こったのが今回の事例です。
このインタビューでは、店舗専門の不動産チーム「テナントの窓口」の、くっつーとやまやが、実際に対応した“半年空き物件”を成約に導いた過程を赤裸々に語っています。空室リスクに悩むオーナーさんが「どのタイミングで」「何をどう見直せばいいか」がわかる、実践的なノウハウが詰まった内容です。
特に、テナント募集で「問い合わせがない」「家賃が高いと感じられているかも」といったお悩みを持つ方にこそ、ぜひ読んでいただきたい成功例です。
この記事でわかること
この記事はこんな方におすすめ
成果報告:半年空室だった店舗が契約に至るまでの流れ

今回の事例では、半年以上も空室だった店舗が、家賃の設定とタイミングを見直すことで契約に至った過程を振り返ります。まずは、最初のご相談から、どんな提案がおこなわれたのかを見ていきましょう。
最初の相談は2024年6月、なかなか決まらなかった背景
くっつー:今日は成果報告です。半年間空いていた店舗を、テナント集客で成約に導いた話を紹介します。
やまや:けっこういただくんですよね、半年とか1年空いている物件の相談って。
くっつー:そうなんですよ。今回も例に漏れず、2024年6月頃に「空く予定なんです」とご相談をいただいた物件でした。場所は東京・西東京エリアの郊外で、150坪くらいある比較的大きな店舗でしたね。
やまや:賃料は当初120万円で募集してましたよね。
くっつー:はい。ただ、半年間ずっと空いていたんです。問い合わせも少なくて、なかなか決まりませんでした。ですので「ちょっと賃料を見直しませんか?」っていう提案をさせてもらうことにしました。「決まらないリスク」を考えたときに、少しでも早く借り手がついたほうがいいという判断で。結果的に、これが転機になりました。

今回のように、郊外の大型店舗で高めの賃料設定がされている場合、半年以上の空室リスクが現実になります。賃料の見直し提案は、決してマイナスではなく、次の問い合わせを呼び込むための戦略的判断です
賃料見直しの提案と99万円の壁を超える発想
くっつー:賃料見直しにあたって、オーナーさんから最初は100万円でどうですか?って提案を受けたんですけれど、それだとまだ厳しいなと思って。
やまや:100万円という数字が一つのラインになりますからね。検索条件とか心理的にも。
くっつー:そうなんですよ。「100万円以上は検索から外す」という方も多いので、99万円での再募集を提案しました。
やまや:税込99万円ですね。検索でもヒットしやすくなる金額帯。
くっつー:その結果、1週間後に即内見が入り、1か月で申し込みがきました。そこから契約までは2〜3か月かかりましたが、まさに動き出したのはこの「価格の見せ方」の工夫からです。

「99万円」は心理的にもマーケティング的にも非常に有効な設定です。「100万円未満」というラインを意識することで、検索上でもユーザーの注目を集めやすくなります。また、企業の承認を得やすい予算帯でもあるため、交渉の第一歩を引き出すには効果的です
テナントが決まる家賃設定と募集戦略とは

成約に至った背景には、単なる値下げではなく「テナント目線に立った賃料の見せ方」と「検索ニーズの理解」がありました。ここからは、99万円という設定がどのように反応を呼び、成約につながったのかを詳しくご紹介します。
なぜ99万円が「検索にヒットする価格」なのか
くっつー:100万円を切るって、検索のときに大きな意味があるんですよ。特にテナントを探している企業は、あらかじめ「家賃100万円以内」など明確な予算で検索していますから。今回のお客さんも、まさにそのラインで探していたと聞きました。「100万円を超えているものは全部見てなかった」と。
やまや:だから、99万円に設定したことで「検索に引っかかるようになった」というのは、完全に戦略勝ちでしたね。
くっつー:あと、交渉が前提じゃない企業って、表示された金額がそのまま判断材料になるので、検索に出なければそもそも問い合わせも来ないんですよ。

テナント物件を探す企業は、賃料に上限を設定して検索することが多いため「100万円未満」という価格設定は非常に重要です。また、交渉に慣れていない企業や中小企業ほど、表示金額が意思決定の基準になりやすいのも事実です
最終的には80万円で成約、オーナーが納得した理由
くっつー:蓋を開けてみると、99万円でも決まらなかったんです。結果的には、さらに20万円近く値引きして、80万円くらいで決まりました。もともと120万円で募集していたので、40万円以上のディスカウントでしたが、オーナーさんはすごく喜んでくれました。
やまや:やっぱり「ずっと空いているよりは、少し下げても決まったほうがいい」という判断ですね。
くっつー:そうなんです。賃料は下がったけど、空室のまま2年過ごすリスクを考えると、オーナーさんの利益にもつながりますから。

賃料が多少下がっても、長期空室による損失や周辺物件への悪影響を防ぐという意味では、早期成約のほうが経済合理性があります。特に複数物件を所有している場合は、ひとつの空室がほかの募集にも影響を与えるため、スピード感を持った判断が重要です
空室リスクを下げるためにオーナーが考えるべきこと

テナントがなかなか決まらないとき、オーナーとして「いつ値下げすべきか」「どんな戦略が有効か」は非常に悩ましい問題です。この章では、ディスカウントの適切なタイミングや、住宅物件との考え方の違いについて、実際のやり取りをもとに深掘りしていきます。
ディスカウントは「値引き交渉される前」が効果的
やまや:賃料の値下げって、タイミングが本当に難しいですよね。遅すぎても効果が薄いし……。
くっつー:そうなんですよ。よくあるのが、問い合わせが来ないまま何か月も放置して、それから値下げするパターン。でもそれだと、もう“出遅れた感”があるんですよね。
やまや:なるほど。じゃあ、やっぱり動きがないうちにこっちから値下げを提案するのが大事なんですね。
くっつー:はい。実際、うちでも10店舗くらいで事前にディスカウントの提案をしたら、それがきっかけで動いたケースがいくつもあります。
やまや:「空いてても仕方ない」っていう状況になる前に、こっちから手を打つってことですね。
くっつー:そうですね。特にテナントって、閉店通知が出てから3か月後くらいに完全撤退になることが多いじゃないですか。だから「完全に空くタイミング」が一つの判断材料になると思います。
やまや:空いてから動くんじゃなくて、空く“前”にどう動けるかが勝負なんですね。

テナント募集では、動きがない状態が続いた時点でのディスカウントが最も効果を発揮します。「問い合わせが来てから値下げする」では遅く、最初の印象をどう作るかが重要です。住宅のように“待っていれば誰かが買う”市場ではなく、限られたタイミングで勝負するのがテナント集客の特徴です
住宅とテナントの違いを意識した集客戦略とは
くっつー:住宅と違って、テナントはそもそも市場のプレイヤーが全然違うんですよ。住宅だと「いつか売れるかも」という感覚がありますけど、テナントは「今借りる人がいるかどうか」で決まります。
やまや:だからこそ、住宅と同じ集客の仕方をしていたら決まらないんですね。
くっつー:はい。今回のように、半年決まらなかった物件が、専門の見せ方をしただけで一気に動いた。これは本当に大きいです。
やまや:テナントは専門の知識がある不動産会社に相談するのが最善ですね。

テナント物件は、居住目的の住宅と異なり「ビジネス目的」で選ばれます。そのため、集客の手法や見せ方もまったく違います。住宅専門の不動産会社に任せたままだと、動かないまま時間だけが経過してしまうリスクもあるため、専門知識のある会社への相談が最重要です
まとめと「テナントの窓口」からの提案

ここまでご紹介してきたように、半年以上も空室だった物件が、ちょっとした“見せ方”の工夫や“タイミング”を見直すことで、契約にまで至りました。最後に、今回の事例から得られたポイントと、私たち「テナントの窓口」がどんなサポートを提供しているのかをお伝えします。
半年決まらない店舗を動かしたのは“見せ方”と“タイミング”
くっつー:今回の成果って、ただ値下げしただけじゃないんですよね。やっぱり「どう見せるか」「いつ動くか」って本当に大事です。
やまや:見せ方一つで、全然反応が変わるんだなっていうのは改めて実感しました。
くっつー:99万円っていう価格設定も、検索に引っかかるかどうかを意識した提案でした。
やまや:最初からそこまで考えて提案してくれる不動産会社って、なかなかないですよね。
くっつー:住宅と違って、テナントって数字にシビアですし「いますぐ決めたい」って人しか見てないから、最初の一歩で差が出るんですよね。

今回の成功の裏には「賃料の心理的ハードル」を理解した価格設定と「反応がないときの動き方」の早さがありました。見せ方とタイミングの両方を押さえることが、テナント募集では最重要になります。放置していても決まらない物件は、戦略的に動かす必要があります
全国対応だからできる、専門的な提案力
くっつー:うちは「テナントの窓口」って名前で活動してますけど、本当に全国から相談を受けてます。
やまや:北海道から沖縄まで、どこでも対応してますからね。
くっつー:「半年決まらない」「問い合わせが来ない」という悩みがあるなら、ぜひ一度相談してほしいです。
やまや:物件によっても戦略が違いますから「とりあえず見てもらう」っていうのが第一歩だと思います。

「テナントの窓口」は、店舗物件に特化した不動産サービスです。物件の場所や状態に応じて、最適な募集戦略をご提案します。全国対応ですので、地域に関わらずどなたでも相談可能です
この記事から学べる5つのポイント

1. 賃料設定には“心理的ハードル”を意識することが重要
テナント募集では「100万円以下」という価格帯が一つの大きな壁になります。検索条件にかかりやすくなるよう、金額設定に工夫を加えることで反応率が大きく変わります。
2. 反応がなければ早期に「見直し提案」をおこなうべき
半年以上空いていた事例では、問い合わせが少ない時点で再提案をおこなったことが契約につながりました。「待つ」のではなく「動く」判断が重要です。
3. テナントは住宅と異なり“今いる顧客”が対象
住宅は購入者が現れるのを待つスタイルですが、テナントは「今その物件を探している人」にしか届きません。そのため、見せ方や価格の出し方が直結します。
4. 値下げ交渉される前に先回りするのが戦略的
後手の値下げは印象を下げるリスクもありますが、前もって提案すれば集客効果を高められます。情報が動かないうちに一手を打つ姿勢が鍵です。
5. 専門の不動産会社に相談することが成功への近道
住宅とは違う知識・経験が求められるテナント物件は「テナント専門」の不動産会社に相談することで、より確実に成約に近づけます。全国対応も可能な「テナントの窓口」は心強いパートナーです。